トレードの世界では勝ち組と負け組の比率が8:2とも9:1とも言われていますね。
どちらの比率にせよ、多くの人が勝てていないのは事実です。
ではなぜ、上か下かの2分の1の確率のはずのトレードがこんなにも負け組を増やすのでしょうか。
その理由を探っていきたいと思います。
メンタル編
今までの常識が通用しない
トレードをしている方々は、基本は社会人だと思います。
社会人になるまでの過程で学校にも行っていたと思います。
さて、学校や会社という組織の中で成功しようと思ったら皆様はどうするでしょうか?
一般的な回答だと、学校であれば勉強を頑張ってテストで良い点をとっていい高校、いい大学にいく、そしていい会社に入る。
会社であれば上司や会議などで色々提案し、結果的に会社に利益となるような行動をしていれば、ある一定の成功は得られると思います。
※会社での成功は昇給や出世と定義しています。
今までの人生においてはただひとつ
行動をしていれば、ある一定の成功は得られていました。
学校のテストで良い点を取るために勉強する→行動
会社で出世するために、会社に利益となる行動をする
※職種や業種によって会社に利益となる行動は異なると思います。
営業系であれば契約をもってくる、事務系であればミス無く素早く作業をこなす、など。
行きたかった学校や会社、成りたかった役職など目標には届かなかったという方もいるとは思いますが、がんばって行動をした結果、目標に近いところまでいけた。
という人も多くいると思います。
そして残念なお知らせが
トレードでは既存社会の考え方で
どんなにがんばっても勝てるようにはならない。
どういうことかというと
学校のテストで良い点を取るために勉強する
これはいわば暗記です。
トレードに置き換えると
インジケーターの種類や特性を勉強して暗記したり
相場のあらゆる理論を勉強して暗記する。
学校のテストであれば、勉強したものがほぼそのままテストにでます。
しかし相手は相場。
相場はいわば価格です。
そんな価格を動かしているのは他でもない人間達の買いたい、売りたいという思惑です。
言い換えれば他人の心理です
そんな人間達の心理が、ここがこうなればこうなるなどと自分が勉強したインジケーターなどの教科書通りになるわけがないのです。
トレーダーとしての考え方は
ここがこうなればこうなるかもしれない
と、常に語尾にかもしれないという言葉をつけ、可能性に対してリスクをとっていきます。
既存社会での考え方ではこの部分が理解できない人が多く、不確実な相場の世界に確実性を求めようと悩み苦しみます。
会社での行動にしたってそうです。
会社の内外でがんばって行動をしていると、色々反応が返ってきます。
顧客からはありがとうといわれたり、上司や会社から評価されたり。
その結果、出世や昇給といった反応が返ってきます。
※会社の利益となるような行動をしていれば、です。
しかし相手は相場。
あなたがどんだけがんばって色々行動したとしても、なーーんの反応も返ってきません。
それどころか、あなたのがんばりとは裏腹に無情にもあなたの大切な資金を平然と奪っていきます。
会社で頑張って行動した結果、ミスをしたり間違った行動をしていれば上司や同僚がミスや行動の間違いを指摘してくれたりアドバイスをくれたり、色々反応が返ってきます。
それに伴い、自分の成長が見込めます。
しかし相場から
そのトレード間違ってるよとか
もっとこうしたほうがいいよとか
聞こえてきたら怖いですね。
多くの人は
この方法で合っているのか・・・?
自分は間違ったことをしているのではないのだろうか・・・?
と疑心暗鬼になり、光の見えない闇の中を彷徨うのです。
多くの人は、この既存常識が通用しない点で結構つまづきます。
既存社会では行動をしていればある一定の成功を得られていたのに対し、相場の世界では行動をしていてもある一定はおろか、かけらすらも成功が得られないことが往々にしてあるため、既存社会を生き抜いてきた人たちはこの矛盾が理解できず、相場に資金を奪い取られ、相場の世界を去っていきます。
メンタル強化のウソ
トレードではメンタルが重要だ。
とイヤになるほど聞かされていると思います。
メンタルは重要なのですが、人間は本来メンタルが弱い生き物なのです。
メンタルが強いと思われている人もただの無神経な人であるパターンもあります。
じゃあ本当の意味でメンタルが強い人しかトレードで勝てないのかというと、そういうことではありません。
本当にメンタルが弱くてトレードで勝てない人は、ごく少数だと思います。
その理由ですが
多くの勝てないトレーダーは
本来やらなければならないことをやらず
メンタルが弱いという理由に逃げている
すなわち
圧倒的に正しい経験値が足りないだけに過ぎません。
本来やらなければならないこととは?
日々のトレードの記録
自分のトレードルールの確立
ルールを破ったことによる損失の値の理解
上記はほんの一例です。
例えばルールを破ったことによる損失の値の理解でいうと
自分でバックテストなどをして、このルールは長期的に利益をもたらしてくれる可能性が高いとわかったとき、そしてそのルール以外のポイントでエントリーをしたら長期的に見れば負ける可能性が高いとわかっていたら・・・・
あなたはそこでエントリーしますか?
結局のところメンタルが弱くてルールが守れないというのは、自分のルールを破ったことによってどれだけ自分の資金が減るのかを理解していないことにつきます。
やるべきことをやらず、メンタルが弱いからといっていては永久に勝てるトレーダーにはなりえませんよ。
関連記事
⇒多くの人が勘違いしている、メンタルコントロールの概念
テクニカル編
負けてる人ほど勝てるルールに固執する
勝ちたいんだから勝てるルールに固執するに決まっているだろう!
と思うと思うのですが、それはそれで間違っていないのです。
どういうことかというと
勝てない人に勝てるルールを教えても勝てるようになる確率は低い
ということです。
そんなバカな、と思うと思います。
私も以前はそう思っていました。
勝ち組達は勝てるルールを持っているから勝てるのではなく
勝っている人はルールを執行する能力が高く
負けている人はルールを執行する能力が低い
から勝ち組でいられるのです。
これは負けている人には信じたくない事実だと思います。
要は負けている人に勝てるルールを教えても最終的にルール通りに売買しなくなるため、結果負ける。
ということです。
今回はちょっと相場の状態がおかしいからエントリーするのをやめておこう、とか損切の連続でこれ以上負けられないから確実なところ以外エントリーしないでおこう、とかいろいろ理由があると思います。
勝てないのに、勝てない人の思考で裁量を入れ始めるのです。
結果負けます。
有名なトレーダー本のひとつに「タートル流投資の魔術」という本があります。
内容をかなり要約すると、有名なトップトレーダー2人がトレーダーを育成しようとしてトレード経験の有無を問わず募集しました。
その中からトレーダーとして素質があるであろう人を集め、自分達のトレード技術を余すことなく伝えたそうです。
もちろんその中には勝てるルールも入っています。
結果どうなったかというと、勝てるようになったのは集めた人たちのごく一部になったそうです。
トレーダーとして素質があるであろう人達を集めたのに勝てるようになったのはごく一部の人なのです。
これがすべてを物語っているのではないでしょうか。
自分が勝てるようになった今、つくづくそう思います。
大事なのは勝てるルールより、ルールを執行する能力
いわば自己規律なのです。
デイトレード(短期売買)をしている
デイトレーダーってなんかかっこいい
会社にいかず、パソコンさえあれば時と場所を選ばないデイトレード
デイトレードで勝てるようになり、悠々自適な生活をしたい!
といってトレードの世界に参入してくる人は多いと思います。
しかし、そういった人たちは知りません。
短期売買の想像以上の難易度の高さを。
人には向き不向きがあるので、短期売買が向いている人もいます。
しかし全体で見ると圧倒的に短期売買が向いていない人が多いと思います。
なぜそう言えるのかというと
ほとんどの人はトレードの世界に参入するときにデイトレードなどの短期売買から始める人が多いです。
結果、負けます。
試行錯誤の末
負けます。
その負けてる率が8:2とも言われるFXの負け組率の根幹にもなっているのではないでしょうか。
短期売買の難易度が、なぜ高いのかの理由のひとつにトレンドの方向が変わる頻度が高い、というのがあります。
1分~15分などの短い足は価格の更新が頻繁に行われ、多くのトレーダーはその目まぐるしく変わるトレンドの流れについていけないのです。
他にも理由は色々ありますが、知っておいてほしいことは
長期足で勝てない人は、短期足では到底勝てない。
1時間足、4時間足、日足と足が長くなればなるほど難易度は低くなる傾向にあります。
現状デイトレードなどの短期売買をしていて中々結果がでなくて悩んでいるという人。
少し長めの足でトレードしてみては?
バックテストをしていない
はっきりいいますが、バックテストをしないで勝てるトレーダーにはなりえません。
トレードに限らず、過去から学ぼうとしない人は未来での成功なんてありえません。
バックテストをどうやったらいいのかわからない、という人もいると思います。
最初はみんなわからないのです。
自分で色々調べ、向いていそうなやり方でバックテストするしかないのです。
参考記事
⇒バックテスト・過去検証のやり方とその意味
資金管理編
統計と確率
冒頭の2分の1の確率のはずのトレードでなぜ負ける人が多いのか、ですが。
理由は2つ
- そもそも1:1の比率でトレードしている人が少ない
- スプレッドを甘く見ている
そもそも勝ち1:負け1の比率でトレードしている人は少ないと思います。
なぜか?
最初は1:1でやっていても、人は次第に利食いを早めるようになりやがて損失を遅らせるようになるからです。
結果、最終的には1:1なんて比率はどこかへ行ってしまうパターンです。
関連記事
⇒トレーダーが意識しなくてはいけない 『統計と確率』
また、スプレッドを甘く見ている人も多いと思います。
スプレッドはドル円だと国内FXで平均0.5pipsくらいです。
1:1でトレードしていても、残念ながら0.5pips分コストを支払います。
たかが0.5pipsですが、トレード回数が増えれば増えるほど膨大なコストとして資金を減らし続けます。
関連記事
⇒負けてる人が軽視する、スプレッドはコストという意味
このスプレッドのコストを甘く見ている人が多いため1:1のトレードをしていても資金が減り、負けているという人も多いと思います。
損切額に根拠がない
そもそも自分のルールを持っていないので、現在のチャートを見つめて小手先のテクニカル分析で場当たり的なトレードをしている。
損切を20pipsとか5000円とか決めてはいるが、そもそもその損切の設定に根拠がない。
損切が大事なのはわかっているので、一応設定している。
というパターン。
※損切額の詳細な決め方はこちらをご覧ください
資金管理術 損切額の明確な決め方
勝てるトレーダーになるため必要なこと
負けてる人がすべきことはただひとつです。
トレードルールを考え、自分でバックテストをする
ことです。
そして日々のトレードで売買記録をつけてバックテストの数値と比較をし続けます。
また私のバックテストの記事でもお伝えしていますが、手動でのバックテストをオススメしております。
理由はトレーダーとして経験値が貯まりやすく、結果レベルアップできるからです。
バックテストを真面目に取り組み、優位性のあるルールを見つける。
この工程を繰り返していると、ルールを破ることによるパフォーマンスの低下に気付き、ルールを破るということがどれほど愚かなことなのか、ということが体感的に理解できてきます。
ここまで言っているのにバックテストをする人は少ないと思います。
なぜか?
それが世の中の比率だからです。
バックテストするもしないも個人の自由ですが、したほうが勝てるトレーダーへの近道であることには変わりはないですよ。
書かれている事は、まさに僕に当てはまります。少し長期足で考えてみたいと思います。
人には向き不向きがあるので、性格上スキャルピングやデイトレが向いている人も当然います。
大事なのは自分が向いているトレードスタイルを早く見つけることだと思います。
自分が向いているトレードスタイルを見つけてからトレードルールを決めていったほうがストレスなくトレードできると思います。