バックテスト・過去検証のやり方とその意味

バックテストはトレードで利益を上げ続けようと思ったら、必要不可欠な作業です。

それはシステムトレードでも裁量トレードでも一緒です。

 

やり方は様々ありますが、結局のところ
自分のルール・手法が過去の相場で通用するのか?
を検証する作業なので、過去の相場で通用しないものは未来の相場でも基本通用しません。

EA (エキスパートアドバイザー)を作成してポチっとバックテストする方法もありますが、最初は手作業でバックテストすることをおススメします。

その方が自分の経験値になりやすいです。

慣れてきて、できる人はEAを作ってやるのもいいと思います。

 

バックテストの重要な用語

バックテストを行うと色々な用語の数値がでてきます。

全部覚える必要はありませんが、資金管理とルール作成において特に重要な用語だけご紹介していきます。

勝率

ご存じ、一回のトレードで勝てる確率です。
プラスのトレード回数  ÷  総トレード回数  ×  100%で値を求めます。

 

ペイオフレシオ

リスクリワードレシオともいいます。
勝ちトレード平均利益額 ÷ 負けトレード平均損失額 で値を求めます。

例1

勝ち平均金額9000円 ÷ 負け平均金額3000円 

9000 ÷ 3000 = 3 

ペイオフレシオはになります。

 

負け平均額に対して、勝ち平均額は何倍か?
を求めるのがペイオフレシオなので、負けの値は常に1になります。
上記の式の比率は

勝ち : 負け

 

金額ベースで表すと

勝ち3000円 : 負け1000円

になります。

 

  • 負け1000円
  • 負け1000円
  • 負け1000円
  • 勝ち3000円

4回トレードして負け3 勝ち1の場合でプラスマイナス0になります。

すなわち、勝率25% ペイオフレシオ3のルール負けもしないし勝ちもしないルールになります。

 

例2

 勝ち平均金額2000円 ÷ 負け平均金額4000円

  2000 ÷ 4000 =  0.5

ペイオフレシオは0.5になります。     

勝ち2000円 : 負け4000円

  • 負け4000円
  • 勝ち2000円
  • 勝ち2000円

3回トレードして負け1 勝ち2でプラスマイナス0になります。

こちらのルールは、勝率66% ペイオフレシオ0.5負けもしないし勝ちもしないルールになります。

 

勝てるルール作りのためには

勝率を上げるルールを作るのか
ペイオフレシオを上げるルールを作るのか

この勝率ペイオフレシオのバランスが非常に重要になってきます。

 

トレードルール・手法とトレードスタイルの決め方のコツ

2017-10-23

 

最大ドローダウンと最大相対ドローダウン

 

最大ドローダウン
最も口座資金が増えた局面から、最も口座資金が減ったの最大下落
最大相対ドローダウン
最も口座資金が増えた局面から、最も口座資金が減った比率の最大下落

このうち最大ドローダウンのほうが重要になってきます。
詳しくはこちらでお伝えしてます。
資金管理の計算方法、目安となる損切幅や金額設定の決め方

 

最大相対ドローダウンは最も口座資金が増えた局面から、最も口座資金が減った比率の最大下落率なので、元本に対して資金が減った下落率ではありません。

従って、手法の明確なパフォーマンスを知るには適していません。

※画像クリックでアップになります。

最大相対ドローダウンが31%のオレンジの下落率なのに対し、最大ドローダウンはー60との下落額になっています。

 

最大ドローダウンは、口座資金に対して一回のトレードで何%のリスクをとった結果でた下落額ですので、手法のパフォーマンスに直結してきます。

上記のチャート画像は極端に作りましたが、仮に最初の紫の〇からトレードを始めた場合、いきなり60%ものドローダウンに合うということになります。

さすがにそれはきついので一回当たりの損切額を少なくしましょう、という結論になります。

 

 

プロフィットファクター PF

プロフィットファクターは略してPFと表記されます。

総利益  ÷  総損失 = PF

1以上であれば利益がでているルールとなります。

 

※例:総利益1,000,000 ÷ 総損失700,000  = 1.42

 

プロフィットファクターは資金管理や手法を作るうえで、そこまで重要な数値ではありません。

1以上なら利益がでてる手法だねーくらいに覚えておくくらいでいいと思います。

 

ちなみにプロフィットファクターはバックテストででてくる数値の中でもかなり偽証しやすい数値でもあります。

特定の期間のみロットを上げるなどの操作をすれば簡単にPFを上げることができます。

自分でキッチリと検証をしたPFなら数値として信用できますが、EAなどでPFがいいからと安易に購入しないほうがいいです。

勝率やペイオフレシオはごまかしにくい数値なのでそちらのほうを重要視して高PFはあまり信用しないほうがいいでしょう。

 

バックテストのやり方

バックテストのやり方ですが、やり方は様々あります。

代表的なのはMT4EA自動バックテストする方法だと思います。

 

しかし、勝てるトレーダーになりたいのなら冒頭でも述べたように、バックテストは最初は手動でやることをオススメします。

 

なぜ手動でやるのか?ですが、そもそも既存のEA(EA作成ツールを含め)で長期的に勝てるトレーダーになれるほどFXは甘くはありません。

EA作成ツールなどのテンプレートルールなどを使わず
自分で1から作成したEAなら自動バックテストするのはアリです。
 

自分のアイデアをトレードルールに起こし、手動でバックテストすることにより他のトレーダーには持ちえない自分だけのルールができあがります。

 

自分でルールを作り上げると

  • 自分の性格
  • 自分の価値観
  • 自分の生活スタイル

自然とこれらを考慮してルールを作ることになるので、トレードルール作成において非常に大事な項目。

日常生活の中で再現性の高いルールを手に入れることになります。

普段通り会社に行き
普段通りに帰宅し
普段通りに寝る。

その過程の中でムリなくトレードできるルール。

それは自分で考えたルールだからこそ実現できるのです。

 

また手動でバックテストしていると色々な気づきが得られ、尚且つ自身のトレーダーとしての経験値も貯まり、トレーダーとしてレベルアップできます。

手動バックテストはそこそこ面倒くさいです。
自動バックテストの方がはるかに楽です。

しかし、ただでさえ勝てないと言われるFXで楽して勝とうなんて甘いです。

 

長期的に勝てるトレーダーになりたいのなら、最初は手動でバックテストすることをオススメします。

 

 

バックテストツール

 

私が昔から使っているバックテストソフトはForex Testerです。

手動テストできるので、数値化しにくくEAに落とし込みづらい手法も検証できます。

世界中で幅広く使われており、10年以上前の相場も検証できてバックテスト専用のツールなので、非常に使い勝手がいいです。

ただ、良くも悪くもシンプルなソフトなので特殊なインジケーターを使用してテストしたい人には向きません。

 

Forex Tester 公式サイト

2019年よりForextesterからへとアップグレードしております。

FXの為替の他にも株価指数個別株仮想通貨などもバックテストできるようになっています。

他にもかなりのマーケットがバックテストできるようになりましたので気になる方は無料のトライアル版を試してから購入するといいでしょう。

 


 

また、最近新たなバックテストツールFXトレードギアというソフトが日本投資家育成機構さんから販売されました。

バックテストツールとしては後発組なので使いやすさはもちろんのこと、ロジックなどの特典もあるので初心者の人には良さそうですね。

Forex Tester

中級者向き
世界中で使われている。
バックテストに特化したソフトなので値段は安め。

良くも悪くもシンプルなので、特殊なインジケーターは使えない。
単純に自分が思いついたルールを検証したい人向け。

無料トライアルがあるので、気になる方は試してから購入することをオススメします。

FXトレードギア

初心者向き
特典として売買ロジックが付いているため値段は高め。

しかし売買ロジックの作り方すらわからない人はプロのロジックは参考になるため、勉強しながら経験を積みたい人にはオススメです。

 

トレーダーとして長く勝ち続けたいのであればバックテストは必須です。

 

たまに無料でバックテストしようとしている人がいますが、無料のものはどこまでいっても無料のクオリティです。

役に立つかどうかわからない情報商材などとは違い、バックテストツールはその対価に見合った価値があります。

お金をかけるべきところにはしっかりとお金をかけて、自分をレベルアップさせなければいけません。

 

私自身、バックテストツールを購入して検証作業をしてからトレーダーとしてのレベルが飛躍的にアップしました。

そして、買おうかどうか悩んでいるヒマがあるなら頭の中でイメージしているルールをバックテストしまくったほうがトレーダーとして成長でき、ツール代なんてすぐにペイできます。

Forex TesterFXトレードギアをご紹介しましたが、正直言ってどっちだっていいんですよ。

要は正確なバックテストができればいいのですから。

 

 

最後に

バックテストはスイングなら最低でも5年、デイトレなら直近1年分くらいは遡ってやったほうがいいです。

さらに、1年ごとに単利でやることをオススメします。

そのほうが一年ごとのパフォーマンスがわかりやすいです。

1年前を100万でバックテスト
2年前を100万でバックテスト
      ⇓
10年前を100万でバックテスト

でてきた各数値は検証したルールの単年の明確な数値ですので、それを元に判断するといいと思います。

 

さらに、バックテストをして優位性のあるルールができたとしても
すぐに実践投入しないでください。

必ずフォワードテストをしてください。

フォワードテストとは
  バックテストしてできた優位性のあるルールが実践で本当に通用するのか?
をテストする作業です。
テストなのでポジションは最小の枚数で持ち、資金に影響がでないように
ルールのパフォーマンスを調べます。

勝率、ペイオフレシオ、最大ドローダウンの数値を理解し、バックテストしまくって
自分だけの優位性のあるトレードルールを手に入れてください!

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