新参トレーダーがFXで資金を増やそうとトレードを始めるとき
必ず犯す間違った考えがあります。
それは
月利目標を立てること
ただ、これはしょうがないことなのです。
なぜかというと
既存社会が人をそのような思考回路に育て上げてしまうからです。
学生生活では月次の目標を掲げることは少ないですが、社会にでると否応なく掲げさせられます。
営業は当然、月次の目標がありますし、サービス業などでも
「私の今月の目標は〇〇です!今まで以上に〇〇を意識してがんばります!」
とか言わされ感たっぷりの目標を掲げさせられます。
月次の目標は無くても、今年の目標など会社から聞かれたり掲げさせられたり・・・
とにかく社会にでると、目標!目標!!目標!!!
なのです。
それゆえに、会社の業務とは別に副業などの自分だけの何かをやろうと思った時に、自然と目標を掲げてしまいます。
副業として何かビジネスを始めるのであれば、目標を掲げることは非常に素晴らしいことだと思います。
しかし、投機であるトレードでは
目標、しかも月利目標などという愚かな目標を立てると、ただでさえ勝てないと言われるFXの世界で自分で自分の首を絞めていることに気づかず負のループにハマります。
なぜFXでは月利目標を掲げることが愚かなのか。
以下、解説していきたいと思います。
相場の値動きは一定ではない
当たり前の話ですが、相場の値動きは一定ではありません。
週によっても違いますし、月によっても違いますし、年間で比べても全然変わってきます。
そんなことはわかっている、と思う人もいるとは思いますが
表面的にはわかっていても、本質的には分かっていない人が多いです。
どういうことかというと
変化する相場環境に対し、そのときの値動きに対して最適な手法でトレードしなければ、とてもじゃないが相場から安定的に利益など得られない。
ということです。
これがどれほど難易度が高いことかは、トレードを長く続けている人ほどわかってきます。
月利10%とかを安定的に狙いたいのであれば、トレード経験は最低でも10年は必要だと思ったほうがいいです。
ただ、「私はトレード経験2~3年だけど、月利目標を安定して利益を上げられているよ」という人もいると思います。
それは今の相場環境と自分が使っている手法がたまたまマッチしているに過ぎないだけです。
過去10年以上前の相場からバックテストして検証した手法を使っている
もしくは
元々トレードのセンスがある人
であれば大丈夫だとは思います。
相場の環境というのは変化します。
トレンド相場からレンジ相場へ、とかそういうチャート上の変化ではありません。
月日が経つにつれ、相場に参加している人達も入れ替わりますし、ビッグプレイヤー達も入れ替わります。
そういう人達が入れ替わると市場のコンセンサスも変化してきます。
人々の思惑で動くレートは人が変わると値動きも若干の変化が出てきます。
ここで曲者なのが、大きな変化ではなく若干の変化なのです。
大きな変化であればすぐに気づくので対策が取りやすいのですが、若干、そして少しづつ変化していきます。
大衆の心理というものは、いつの時代も変わらないのでトレードの値動きにおける基本的なことは変わらないのですが、相場参加者が変わると値動きの中に若干の変化が生まれるため、今まで使っていた手法がだんだん勝てなくなってきた、ということが起こります。
その変化に対応できたものだけが次の相場へ進み、利益を得られる権利を手にすることができるのです。
相場環境の若干の変化
あくまで私が感じる若干の変化のひとつは
FXのチャートが汚くなってきた
と感じています。
どういうことかというと
私は2000年代からFXでトレードをしております。
当時はデイトレードなどの短期売買を主にしていましたが、今はスイングをメインとしており短期売買は気が向いたときしかやっておりません。
理由は、短期足のチャートが汚いときが多く、あまりトレードできないからです。
アルゴリズムトレードの影響なのか
相場参加者が変わってきたからなのか
個人にFXが解放され、認知されてきたからなのか
理由は分かりませんが、短期足のチャートが昔と比べて汚くなってきたことは事実です。
具体的にどう汚いのかというと
上下にヒゲが出まくる時間帯が長かったり
昔ならキレイにブレイクしていたようなチャートがダマシが多くなったりとか
言い出したらキリがありませんが、個人的には短期売買の難易度は昔に比べて格段に上がっていると思います。
そんな中でも月利目標を狙いたいあなたに、さらに追い打ちをかけることをいうと
トレード手法1つや2つじゃ月利目標なんて無理です。
月利10%の無謀な目標
まずこちらのチャート画像をご覧ください。
ドル円 週足 2010-2018 ※画像はクリックでアップになります。
近年で発生した回数が多い相場環境を分けてみました。
こちらは週足の画像ですが、数か月ごとに相場環境が大きく変わっているのが分かると思います。
また、月利○○%を狙いたいのであれば、この分けた相場環境に対して最適な手法でトレードしなければ月利目標は達成できません。
青⤴:押し目待ちに押し目無しと言われるほどの強い上昇 トレンドフォローの戦略 黒□:ボラティリティが低く、一定のラインが機能しやすいレンジ相場 逆張りの戦略 赤□:ボラティリティが高くなったり低くなったりオーバーシュートが頻発するレンジ相場 損切を入れない逆張りの戦略
通常の逆張り戦略でトレードしても、オーバーシュートでストップが狩られるし、トラップ系も余裕を持った値幅で仕掛けないと全損切に合う可能性もある。 唯一有効なのは逆張りで入った後にストップ設定を入れない戦略だが、短期的に月利目標は狙えるかもしれないが、ストップを入れない戦略は長期的に見ればいつか破産するのでオススメはしない。 ちなみにこちらは週足の画像なので、デイトレードなどで月利目標を達成したい場合 非常にゆっくりとしたトレンド相場 さらにそこからいってこいになる相場 簡単に上げただけでも5種類でてきましたが そして本当の意味で月利目標を達成し続けたいのであれば、発生するそのすべての相場環境に対して有効な手法を自分が持ち合わせている必要があります。 これがどれほど難易度が高いことかわかるでしょうか。 また、上記のチャート解説画像は自分でいうのもなんですが後付の解説です。 月利目標を狙ってトレードをするときは、現在進行形のチャートでどんな相場環境なのかを見極め、それに適した手法でトレードをしていく。 このようなことができないと月利目標を達成し続けることは不可能です。 また世の中にいる勝ち組トレーダーと言われる人たちは 理由は、自分のルール以外のエントリーをすると短期的には勝てても、長期的には資金が減ってしまうと知っているからです。 本当に月利○○%を長期間とり続けたいのであれば、最低でも5個は優位性のある自分の手法を持つ必要があります。 そうでなければとてもじゃないが長期間、月利目標は達成できません。 優位性のある自分だけのルールの作り方はこちらの記事に記載していますので、気になる方はご覧ください。 また、安定的な収益を得たいと思った場合、知っておかなければならないことがあります。 それは、お金を得る方法の違いです。 お金を運用するにあたって得られる収益の違いで この2つの収益の特性を理解していないと、間違った価値観でトレードしてしまうことになります。 株では配当金 保有しているだけで収益が発生するものがインカムゲインです。 爆発的な収益は望めないかわりに安定的な収益が期待できる。 爆発的な収益が望めない理由としては、ある程度想定できる収益しか発生しないからである。 不動産であれば、家賃収入は満室ならそれ以上のインカムゲインは発生しない。 ちなみに、ある程度のお金持ちになるとほとんどの人がインカムゲインの収益を持っています。 キャピタルゲインなどで資産を大きく膨らませた後は、インカムゲインにシフトして人生を豊かに生きるというのもひとつの方法でもあります。 例:ドル円90円で買い⇒100円で決済⇒価格差10円の収益 安定的な収益は望めないが、価格が思惑の方向へ動けば莫大な利益を手にできる機会がある。 安定的な収益を望めない理由としては、価格差を収益源としているからである。 金融商品の価格は、純粋な需要と供給の他に投機的な思惑も入ってくるため、一定の値動きには絶対にならない。 それゆえに安定的な収益も望めないが、需要が急激に拡大するときなど、価格が大きく動くときにその方向へポジションをもっていれば莫大な利益を手にすることができる。 その利益はインカムゲインの比ではない。 トレードで月利○○%を狙いに行こうとする場合 先ほどのキャピタルゲインの項目でもお伝えしましたが、価格差が収益源のキャピタルゲインでは安定的な利益は見込めません。 相場がボラティリティが高く、収益チャンスがたくさんある相場環境のときは月利○○%を達成できるかもしれません。 しかし、相場のボラティリティが低い期間が長く続くことも当然でてきます。 価格差を狙いに行くトレーダーにとってはボラティリティが低いと収益を上げにくくなります。 また、自分の苦手な相場環境が長く続くこともでてきます。 そうなると自分が得意とする相場環境になるまで待たなければいけません。 そんな中、月利目標を達成しようとムリにトレードするとどうなるか。 ほとんどの場合、資金を減らします。 理由は単純、そのトレードに優位性がないからです。 月利目標を達成しようとムリにトレードした結果、資金を減らしてしまった。 これはまずい・・・ はい、これで負のループの完成です。 こうやって自分で自分を追い込み、間違った思考でトレードをするからFXは9割が負け組とか言われるのです。 トレードの収益はキャピタルゲインです。 そしてそのキャピタルゲインの収益は不安定なのです。 そんな不安定な収益から安定的に利益を得ようとすること自体が間違いなのです。 不安定な相場からは不安定な収益しか得られない。 これを本質的に理解できるようになったとき、皮肉にもトレードの収益が安定してきます。 理由は心に余裕が生まれるからです。 結果、メンタルが安定します。
損小利大のルールの中でも、利食いをなるべく引っ張れる手法を持った人しかこの期間に大きな利益を手にすることはできない。
ライントレードが機能しやすく、ラインを意識しての逆張りトレードが有効な時間帯
トラップ系の仕掛け売買もうまくいく時間帯
レンジ相場ではあるのだが、ラインも引きどころが難しく、引けたところで急にオーバーシュートが発生し、ストップが狩られレートが元に戻る非常にやりにくい相場環境。
5分足などの短期足の相場環境の変化についていかなければいけない。
ジグザグと適度に押し目を作り普通のスピードのトレンド相場
急激に値が動き始め、押し目を作らない力強いトレンド相場
まったくボラティリティがなく動かない相場
5分足など短期足になればなるほど、これ以上の相場環境と向き合わなければいけません。
自分の勝ちパターン以外の値動き
すなわち、自分の手法のルール以外の値動きはスルーしています。資金運用の収益性の性質
キャピタルゲインとインカムゲインがあります。インカムゲイン
債権では金利
不動産では家賃収入
FXではスワップ
株の配当金であれば、経営状況を見れば配当金額はおおよそ見当がつく。
債権であれば元本に対して金利が付くので、金利が変動したとしてもその収益はある程度想定できます。キャピタルゲイン
不動産でも株でも為替でも、価格差における売買収益はすべてキャピタルゲインです。
トレードの収益の特徴を理解しよう。
スワップ狙いでは不可能なため、キャピタルゲインである価格差を狙いにいくことになります。
なんとかして資金をもとに戻さなければ・・・
キャピタルゲインの特徴を理解し、不安定な価格差の収益を狙いに行く中で安定的な利益を得る難しさを理解してトレードに挑まなければいけません。
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