爆上げのNYダウ、典型的な天井圏相場で明るい未来は無い

去年の10月から下げに下げ続けていたNYダウ

年が明けてからは一転して上げに上げ続けての爆上げ中で、未だに上げ続けている状況です。

去年末の暴落の最中、気が気でなかった人も今の上昇を見て安心している人が多いことでしょう。

では米国株は今年もこのまま上げ続けていくのか?

未来は誰にもわかりませんが、過去の長期チャートを振り返ると典型的な天井圏相場を形成中の可能性が高そうです。

 

高値圏で上下にボラが高く動く相場は危険極まりない

去年の2018年2月にダウが暴落してから、今年は上下にボラ高く動く相場になってきたら本当に警戒したほうがいいと去年の記事にて書きました。

去年のダウ暴落時の記事
米国株暴落、あの日のトレードと今年のNYダウの展望。

 

結果的に2018年のダウはそのまま上下にボラ高く動き続け、年末へ向けて暴落相場を演出しました。

高値圏で上下にボラが高い相場環境というのは、かなりの高確率で最終的にトドメの暴落がきます。

とはいえ、「今のダウは爆上げして戻しているじゃないか」

そう思うのが普通なのですが、それはあくまでも日足レベルでのトドメの暴落です。

 

ひとまずチャートを見ていきましょう。

NYダウ 日足  ※チャート画像は全てクリックでアップになります。

今回の年末の暴落からのV字回復の急反発ですね。

26000ドル付近で買っていた人たちは本当に安心していると思います。

じゃあダウはこのまま上げ相場を演出するのか!?

 

次は週足を見ていきましょう。

NYダウ 週足  ※週足以降はXMではデータが足りないためIG証券のチャートを使っています。

週足で見ると未だに200日線にタッチせずに天井圏で上下にボラが高く動いているのがわかると思います。

何が言いたいのかというと
日足レベルのトドメの暴落は来ましたが、週足レベルのトドメの暴落はまだ来ていない

 

移動平均線とレートの乖離というのは、いつか必ず埋まります。

 

しかしその埋まり方は、2000~2002年のような横ばいで乖離を埋めるパターンと2007~2008年のような暴落で乖離を埋めるパターンの2種類があります。

今現在のダウがどちらのパターンで移動平均200日線との乖離を埋めてくるのかはわかりませんが、近い将来必ず埋めてきます。

仮に年末の暴落で200日線にタッチして、今も底値圏でモミモミしていたら2019年は比較的明るい相場になりそうでしたが、このV時回復は個人的には非常にマズイ相場展開だと思っています。

高値圏で上下にボラが高い典型的な天井圏相場です。

 

さて、最後に月足も見てみましょう

恐ろしいほどに200日線から離れていて高値圏で上下にブレているのが分かると思います。

当然ですが、この月足の200日線の乖離もいつかは埋まるのです。

横ばいで埋まるのか、暴落で埋まるのかは誰にもわかりませんが。

 

また今回の日足ベースのV字回復の何がマズイのかというと、次に暴落してきたときに今回のV字回復を経験してしまった人は、そのイメージが頭にあるので次の暴落時もV字回復するだろうと安易な買いを入れがちになります。

結果、底抜けしたのがリーマンショックになります。

そういった大暴落相場というのは、いつくるのかは誰にもわかりませんがいつかは必ずきます。

 

週足200日線からレートが乖離している
高値圏で上下にボラ高く動いている
リーマンショックから10年経過し、サイクル的にも十分なこの相場環境

 

今年の米国株は相当に警戒しておいたほうがいいと思います。

米国株の本格的な大暴落が始まったら、ドル円だってただでは済まないですから。

 

ファンダメンタルは意識しない、暴落をとりたいならチャート分析のみ

歴史的に見て圧倒的な買い圧力が強い米株相場のダウでは、私はスイングでの売りポジションは基本持ちません。

ただ、今の相場環境からみるとスイングでの売りポジションに優位性がありそうな局面になってきたので、チャートに下げの兆候がでてきたらスイングでの売りポジションを持つ可能性が高いと思います。

しかし圧倒的に景気のいい米国のファンダメンタルな要素を考慮すると、とてもじゃないが売りポジションなんて持てない環境です。

ただ今回の日足レベルでのV字回復もそうですが、大相場をとろうと思ったらファンダメンタルを意識していたら絶対とれません。

 

去年末の暴落もFRBパウエルがマーケットの空気を無視して利上げを断行し続けるとタカ派な発言をしたことや米中貿易戦争の懸念から相場が暴落していきました。

結局のところは大口の仕掛け売りで相場が下がっていくワケですが、当時のファンダメンタルを意識していたら暴落の中で買いポジションなんて絶対に仕込めない環境です。

しかしそういったファンダメンタルを無視して、テクニカル分析で自分の中にルールを持っている人は暴落の中でもテクニカルのみで買いを入れていくことはできるのです。

結果はと言うと、このV字回復で利益を上げられているわけです。

私がトレードではファンダメンタルを意識しない理由が正にこれなんですよね。

大相場を取り逃すんです。

 

現状のダウの相場環境はというと、FRBパウエルが一転して市場に寄り添いハト派になってきました。

また米中の歩み寄り期待もあって相場は期待買いでかなりいいところまで上がってきています。

すぐに暴落することはないと思いますが、時間足などの中期足でチャートが崩れてきたら・・・・

去年のような一日で1000~2000ドルの暴落は至って普通に出ると思います。

 

そういった暴落をムリして取ろうとする必要は全くありませんが、ファンダメンタルに関係なく暴落は起こると知っていればチャートのみで危険を察知して直前で逃げる術を持てることになります。

もし暴落を取りたいのであれば、それこそ大衆とは真逆のことをしなければなりませんし圧倒的なファンダメンタルに逆らうメンタルも必要になってきます。

しかしテクニカルのみでトレードしているクセがついていれば、特に難しいことではありません。

 

暴落を取りたいのか
暴落を察知して逃げたいのか

 

いずれにせよ、ファンダメンタルは無視してチャートを見る必要がでてきます。

2 件のコメント

  • こんばんは、いつもお世話になっています。

    「習うより慣れろ」ということで早速NYダウでトレードを開始したのですがボラと抵抗帯をやすやす突き破る勢いに驚いています。やはりFXと比べると比較的に簡単に感じましたがここで調子に乗らずしっかりとトレードしていきたいと思います。

  • 後藤さん、コメントありがとうございます。

    ダウでトレードを始めたのですね、しかし本当に気をつけてください。
    現状のダウのボラに驚いているようですが、このボラで通常時です。
    去年の10月~12月のようなボラの高い局面だと1日で500ドル前後は平気で動きまくります。

    下落となるとそのスピードも速いため、あっとういう間に1000ドル急落なんてことも普通にありえます。
    現状は1時間足で緩やかな上昇を描いていますが、いつ奈落の底へ落ちても不思議ではありません。

    FXでももちろん損切は重要ですが、株価指数はそれ以上に損切が必須になってきます。

    本当に油断なさらずに損切必須でトレードしていってくださいね。

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