窓は埋まらない時もある、先入観を捨て冷静なトレード戦略を。

先週の週明け5月6日、トランプのツイッター砲と北のロケット効果で円通貨は下に窓を開けてスタートしました。

窓埋めを狙ったトレードをした人も多いと思いますが1週間たった現在、窓が埋まった通貨ペアと埋まっていない通貨ペアがあります。

窓が埋まっていない通貨ペアに優位性を見出し、窓埋め方向にポジションを取っている人もいると思いますが、その窓埋めトレードにキチンとした戦略はありますか?

窓は必ず埋まると思ってポジションを保有していると・・・?

いつか必ず痛い目を見ます。

円通貨の窓埋めの状況

 

クロス円の現在の窓の状況を見ていきましょう。

 

ドル円の窓

 

ドル円 1時間足  

ドル円は当日に窓を埋めるような動きを見せますが、完全には窓埋めを達成せずに再び移動平均線の方へレートが流れていっています。

近年の傾向として、ドル円は円通貨の中でも特に買い圧力の強い通貨ペアです。

しかしこれは全ての通貨ペアに言えることですが、窓埋め達成率が100%に近づくにつれて徐々に売り圧力が強くなっていきます。

その理由としては、窓開け開始のレートが市場に意識される節目のレートになるため、窓埋めを狙った買いの決済売り、窓埋め完了を確認した後の戻り売り圧力を狙った新規の売り。

こういった売り玉がでやすくなるため、窓埋めが80%以上完了したくらいからは再下落の可能性を想定しておいたほうがいいと思います。

 

豪ドル円の窓

 

豪ドル円 1時間足

豪ドル円はドル円とほぼ一緒の値動きですね。

唯一違うのは豪ドル円は窓埋め達成率100%というところでしょうか。

その後はドル円と同様に窓開けレートの節目が意識されて移動平均線の方向へレートが流れていっています。

 

ユーロ円の窓

 

ユーロ円 1時間足

窓埋め率はドル円と豪ドル円の間くらいでしょうか。

いずれにせよ、ここまで窓を埋めるような動きを見せている以上、ユーロ円での窓埋めの優位性はもうないと思ったほうがいいですね。

 

ポンド円の窓

 

ポンド円 1時間足

ポンド円のみ唯一、窓を埋めるような動きを一切見せずに下落し続けています。

さすが殺人通貨といったところですね。

このポンド円の窓埋めを期待してロングしている人も多そうです。

しかし気をつけなければいけないのは窓埋めトレードは時間経過とともにどんどんと優位性が失われていくということです。

 

窓埋めトレードの優位性が無くなるとき

現在の円通貨で窓が完全に埋まっていないのはドル円とポンド円です。

この2つの通貨ペアで窓埋め狙いでロングを持っている人は多いと思います。

しかしドル円に関しては既に窓埋めの優位性は無くなっています。

 

というのも窓が埋まるのは空いた当日が最も埋まりやすく、時間経過と共に窓埋めに対する優位性は徐々に無くなっていきます。

 

そしてドル円に関して言えば、窓は完全には埋まっていませんが当日に窓を埋めるような値動きはしています。

これが非常に重要で、窓を完全には埋めなくても窓を埋めるような値動きをしたか、していないかで窓埋めに対する優位性の有無を確認することができます。

ドル円は当日に窓を埋めるような値動きをしているため、すでに窓埋めに対する優位性はありません。

今後窓を100%完全に埋めるような値動きをする可能性は十分ありえますが、それは窓埋めトレードの優位性というより単に為替相場特有の通貨ペアの綱引きが起こすいつか戻ってくる相場が展開されただけに過ぎません。

 

またポンド円に関しては、まだ窓埋めに対する優位性は残っているといえそうです。

しかし上記でもお伝えしましたが、窓を埋める可能性は当日が最も高く、時間経過と共に窓埋めに対する優位性は徐々に失われていきます。

個人的な相場観でいえば、窓埋めに対する優位性が高い期間は窓が開いてからせいぜい2~3日、相場状況によっては1~2週間
といったところでしょうか。

いずれにせよ時間経過と共に窓埋めに対する優位性は無くなっていくので、開いた窓は必ず埋まるからと明確な撤退ラインを決めずに窓埋め狙いポジションをホールドしておくのはかなり危険なトレードです。

チャートを見てテクニカルな撤退をするのか
時間経過を意識した撤退をするのか

空いた窓は埋まる確率が非常に高いですが、そこにはキチンとしたトレード戦略が必要になってきます。

 

2年前の窓が埋まっていない通貨ペア

 

私が空いた窓は埋まらない時もあると断言している理由は、実際に空いた窓が埋まっていない通貨ペアがあるからです。

 

ユーロドル 日足

2017年4月24日週明けに窓が空き、当日に窓埋めする値動きも見せず、1週間が経ち、2週間目に強いアップトレンドが生まれ、窓埋めする値動きは一切見せずに上昇していってしまいました。

このユーロドルの窓空きについては下記記事にて少し詳細に書いています。

窓埋めトレードは使えるのか?手法の有効性を検証してみる

2018-04-16

 

恐らく、この時のユーロドルの窓埋めを狙ってトレードしていた人の中には、窓が埋まらずに上昇していく値動きが理解不能で意地になって窓は必ず埋まるからとポジションをホールドし続けた結果、強制ロスカットで退場した人もいると思います。

 

窓は必ず埋まりません

埋まる確率が高いだけです

 

埋まる確率は高いのでそこには優位性がありますが、自分の中でキチンとしたトレード戦略が無いと窓埋めしなかった場合、一発退場してしまう危険性があります。

 

ブログ内で度々お伝えしていますが、トレード戦略や手法よりも本当に資金管理が大事なので絶対に相場をナメるようなトレードはせずに日々相場と向き合っていきましょう。

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