かなり久しぶりの更新となってしまいました。
私のブログを楽しみにしているなんて人はいないと思いますが、子供も大きくなってきて少しづつ手がかからなくなってきたのでブログのほうも少しづつ再開していきたいと思います。
さて、最近のドル相場はインフレ懸念からFRBの利上げという流れになり、それに伴い利上げからのドル高という相場が続いています。
そして『ドル高なのになんでゴールド相場はもっと暴落しないのだろう?』と疑問に持たれている方も多いかもしれません。
現状ゴールド相場はかなり下落していますがまだ日足200日線の上、どちらかというと調整の範囲、暴落というには物足りません。
ドル高なのになぜゴールドはもっと暴落しないのか?
それはドル高相場ではゴールドは暴落しにくいという特徴があるからです。
ドルインデックス急上昇の割に下がらないGOLD相場
ドルインデックス上昇の割にゴールドはあまり下がっていません。
ドルインデックス 日足 ※チャート画像はすべてクリックで別タブにてアップで見れます。
ドルインデックスは去年の2021/6/01から上昇を続けています。
GOLD相場はXAU/USDという通貨ペアのためドル高になると、通貨ペアの特性上GOLD安となりGOLD相場は下落圧力がかかり下がっていくはずです。
しかし現状のゴールド相場は上下にブレながら若干レートは上昇しています。
ドル高なのになぜゴールドは高値を維持したままなのか?
ドル高の圧力以上にインフレ懸念からゴールドが買われているから、と言ってしまえばそれまでですが
他のゴールドの通貨ペアを見るとその答えが見えてきます。
GOLDという通貨ペア
ゴールドはコモディティとしての側面もありつつ、為替の性質ももったマーケットになります。
XMでの表記は:GOLD
一般的な海外業者での表記は:XAU/USD
基本的にはドルとの通貨ペアになります。
そして為替の通貨ペアなので当然他の通貨とのペアもあります。
対ユーロ:XAU/EUR
対ポンド:XAU/GBP
対円:XAU/JPY
そしてこのGOLDのドル以外の通貨ペアを見ることでドル高相場でGOLDが暴落しにくい理由が見えてきます。
ドル高はユーロ安
当然の話ですが、FXでのEUR/USDという通貨ペアにとってドル高はユーロ安になってきます。
去年の2021/6/01から下落しており見事にドルインデックスの逆相関となっています。
そしてここからの話がドル高でもゴールド相場が暴落しにくい理由なのですが、ゴールド相場の対ユーロ、XAU/EURにとってユーロ安はゴールド高になるわけです。
XAU/EURは去年の2021/6/01からかなり上昇しています。
ドル高はユーロ安 → ユーロ安はゴールド高
為替相場特有の通貨ペアの綱引きが起こす現象ですね。
これは当然他のドルストレートの通貨ペアでも同じことが言えます。
対ドルだけドル高の影響であまり上昇していないですが、対円でも対ポンドでもゴールド相場は上昇しており、GOLD単体では全般的に買われ続けていることがわかると思います。
ドル高 → 他通貨安 → GOLD高
この構図がドル高ではゴールド相場が暴落しにくい理由です。
あくまで暴落しにくい、というだけで絶対に暴落しない!ということではもちろんありません。
ゴールド相場が暴落するとき
私が検証した限りではゴールド相場が暴落するときは2つしかないことがわかりました。
ゴールドが暴落するときは純粋にゴールドそのものが売られるときになります。
- 米国株が割安、ゴールドが割高のマーケット状態のとき
- 景気後退、リセッション時のSell All(全部売り)
米国株が割安、GOLDが割高
これはもういわずもがな、割高のゴールドを売って割安、もしくは上昇余地のある米国株を買うというシンプルなマーケット状態のときです。
リスク回避でゴールドが買われ続け、株が売られ続けた最終局面ででやすい状態ですね。
過去40年でそのような環境の時は1980年1月、1987年11月、2011年8月の3回くらいでしょうか
細かくカウントするともう少しありますがゴールドの大きな暴落となるとこのくらいかと思います。
そして直近は、というとゴールドはS&P500に対して割安でも割高でもないという環境。
このような環境で過去40年ではゴールドの暴落はありません。
もちろん相場なので絶対はありませんが、現在は世界中でインフレが進行しているのでファンダメンタルな面を考慮してもゴールドの暴落は相当起きにくい環境だと思います。
景気後退、リセッション時のSell All(全部売り)
こちらは景気後退時、リセッション時に起きる一時的な現象
Sell All(全部売り)などと言われますが、要はとにかく現金(ドル)を確保したいときに起きる現象です。
機関投資家は基本的に現金で持っておくことを許されません。
必ずどこかで運用せねばならず、それが彼らの仕事だからです。
ただし、歴史的な大暴落がくると機関投資家らも追証祭りとなりマージンコールが鳴り響きます。
とにかくマージンコールを避けるため、手持ちの資産をとにかく急いでドルに換える。
そんなときはマーケットが普段通りのときに働く各マーケットの相関などお構いなしに全部売ってとにかく現金を確保する。
株も金もコモディティも債権も全部売られる。
この現象がリセッション時の初期に起こるSell Allなのです。
あくまでリセッション時の本当に初期に起こるだけで数か月するとマーケットは元の相関を取り戻します。
元の相関を取り戻してもリセッション自体は続くのでSell All自体はリセッション時の初期のみに起こるということですね。
1980年代はリセッションが頻繁に起きた年でした。
続いて1987年のブラックマンデー時
2008年のリーマンショック時
記憶に新しい2020年のコロナショック時
2000年のITバブル崩壊時は元々下落トレンドだったためか大した暴落はなかったので割愛しています。
このSell Allのゴールド暴落は前項の暴落に比べて期間が短く下げの値幅も少ないです。
ですので本当に警戒すべきゴールドの暴落は米国株が割安、ゴールドが割高なマーケット環境の時かと思います。
現在のゴールドのマーケット環境
では現在のGOLD相場の展望とマーケット環境はというと
現状のゴールド相場は日足チャートで見るとこのラインが意識されている可能性が高いと思います。
ここから反発して上昇する可能性もあるしラインを割って暴落する可能性もあります。
ただ、個人的にはゴールドはラインを割って暴落したところでいずれ↑へ上昇するしかないと思っています。
その根拠は本記事に書いてきた通りですね。
- ドル以外のゴールド相場ではインフレ懸念からゴールドが買われ続けていること(いずれドル相場でも買われ続ける可能性が高い)
- 現在は米株割安、ゴールド割高の状態ではないため暴落が起きるとしたらSell Allしかないこと(一時的な暴落)
あとはそもそもゴールド自体暴落が起きにくいマーケットということもあります。
ただ、本当に相場は何が起こるかわかりません。
論理的にファンダメンタルとチャートを考慮して長期的に↑しかないなと思っても10年間横ばいになるとかは普通に考えられますので、自分の想定に深く固執せずに上がりそうなチャートになったらスイングでとっていくといういつも通りのスタンスで臨みたいと思います。
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