為替トレードのポートフォリオの作り方と勘違いしやすい点

ポートフォリオという言葉、聞いたことありますよね?

色々な分野で使われる言葉ですが、金融業界においてはリスク分散をする意味で使われています。

主に株式でよく聞きますが、ひとつの銘柄に集中投資しているとその銘柄が下がった場合、損失がその銘柄だけに依存してしまい資金が大幅に減るので、相関関係がある銘柄や影響を受けない業界の銘柄などに、資金を分散してリスクヘッジしましょう。

というものですね。

しかし記憶に残るリーマンショックでは、そんな相関関係や各業界の影響の有無などおかまいなしにほぼすべての銘柄が下がりました。

ポートフォリオもクソもありませんでしたね。

投資というスタンスは基本買いなので暴落を察知して逃げるしかありませんが、トレードは基本スタンスは投機です。

暴落を察知したらすんなり売りから入ればいいだけです。

そんな投機であるトレードのポートフォリオの考え方をご紹介していきます。

FXでのポートフォリオの考え方

FXトレードのポートフォリオは投資のポートフォリオとは違った考え方が必要になります。

理由はFXは基本は投機であり、投資ではないからです。

よくスワップ狙いで、通貨分散保有しポートフォリオを組んでます!
という人を見かけますが、中身を見てみると
豪ドル、南アフリカランド、トルコリラ、などの高金利通貨保有

そしてすべてクロス円

それ円買い入ったら全部下がるよねっていう・・・

そういうのはポートフォリオとはいいませんし
なにより為替の場合、通貨保有のポートフォリオはあまり意味がありません。

理由は
保有している通貨がすべて上がるなど考えられないからです。

株は経済成長と共に保有銘柄がすべて上昇していくのは至極当たり前の光景です。

そんな中、企業スキャンダルや業界不振などで一部の保有銘柄が下がったりするので、ポートフォリオを組む価値があるのですが、為替の場合通貨ペアです。

こっちの国の通貨が上昇すれば、あっちの国の通貨が下落します。

経済成長しようが通貨価値の綱引きなので、すべての通貨が上昇するなんてありえません。

従って、通貨分散保有のポートフォリオはあまり意味がないのですね。

私はクロス円だけじゃなく、色々な国の通貨ペアでスワップ保有してるから大丈夫です。

という方もいると思います。

しかし

高金利スワップ狙いは、かなりの確率で為替差損がでます。

保有したものの、為替評価損がでているので
数年たっても大した利益にならない、もしくは損がでている。
なんてことは普通です。

トレードにはトレードなりのポートフォリオを組む必要があるのです。

ではその組み方とは?

トレード手法で組む必要があります。

3通りの組み方があります。

  1. 通貨固定の時間軸分散でポートフォリオを組む
  2. 時間軸固定の通貨分散でポートフォリオを組む
  3. 異なる優位性を持った複数のルールでポートフォリオを組む

通貨固定の時間軸分散ポートフォリオ

通貨固定なので、例えばドル円にしましょう。
そしてトレード手法はひとつです。

ドル円固定の時間軸分散(15分足、4時間足、日足など)
短期、中期、長期の時間足で分散します。

ひとつのトレード手法で各時間軸でトレードします。

当然、両建ての場面もでてきます、ですが気にしない。
※4時間足では買いポジ持ち、15分足では売りポジ持ちなど。

全ての時間軸で利益を出すのは難しいと思いますが、トータルすると利益にすることは全然可能なので、トレーダーとしてひとつのポートフォリオの考え方です。

時間軸固定の通貨分散ポートフォリオ

こちらは先ほどのポートフォリオとは逆のアプローチになります。

時間軸固定、例えば1時間足にしましょう。

通貨分散なので、仮に国際通貨を選択すると
米ドル、ユーロ、円、ポンドの1時間足を表示し、ひとつのトレード手法で各通貨トレードします。

こちらはトレードしながら各通貨の動きを見れるので
個人的には、先ほどの通貨固定の考え方よりオススメです。

異なる優位性を持った複数のルールのポートフォリオ

このレベルまで来るとトレーダーとしてかなりレベルが高いと思います。

異なる優位性を持った

  • 逆張り系(オーバーシュートの逆張り、レンジ内逆張りなど)
  • 順張り系(トレンドフォローの順張り、ブレイクアウトの短期の順張りなど)

各相場の状況に合わせた、優位性のあるルールを同時に動かしトレードのポートフォリオを組む方法です。

レンジ相場では、逆張り系のルールが利益をだして順張り系のルールは損失を出す。

トレンド相場では、順張り系のルールが利益をだして逆張り系のルールは損失を出す。

そのトータルの差引で口座に利益を蓄積させていくやり方です。

このレベルまでくれば、その後に時間軸分散しようが通貨分散しようが、ある程度自分でコントロールできますので自由にやるのがいいと思います。

最後に

トレード手法でポートフォリオを組むことにより、リーマンショックのような大暴落がきたとしてもあまり影響を受けません。

相場が暴落するなら、それを利益に変えるルールをポートフォリオに組み込んでいればいいだけだからです。

目指すべきは最後の
異なる優位性を持った複数ルールのポートフォリオですが、人には向き不向きがあります。

複数ルールのポートフォリオを組もうと、バックテストしまくって優位性のあるルールをいっぱい構築したとしても、実際トレードするときにそれを自分が管理できなければ意味がありません。

私の場合、一時期6つのルールでトレードしていましたが、損切の入れ忘れや、新規指値注文の入れ忘れなどでパフォーマンスに大きく影響がでていたことがありました。

自分の頭では6つ同時に動かすことは無理だったんですね・・・汗

今は4つ程度に落ち着き、ムリなくトレードできてパフォーマンスも良好なので、私にはこれくらいがちょうどいいのだなと思っております。

自分の能力を客観的に知るって大切ですね。

もちろん、できる人は10個とかでトレードするのもいいと思います。

自分の手法をEAに落とし込めれば不可能ではないですしね。

 

コメントを残す